書評:戦略プロフェッショナル-シェア逆転の企業変革ドラマ
久しぶりに心揺さぶる本に出会いました。知ってる方にとっては古典の域に入るような名著のようですが、出会えてよかったです。
著者はミスミグループのCEOで先日退任を発表された三枝匡さんです。元コンサルの名経営者ということぐらいしか知らなかったのですが、コンサル時代のあとに個人事務所を立ち上げられていて、その頃に執筆活動をされていたようです。
久しぶりに心揺さぶる本に出会いました。知ってる方にとっては古典の域に入るような名著のようですが、出会えてよかったです。
著者はミスミグループのCEOで先日退任を発表された三枝匡さんです。元コンサルの名経営者ということぐらいしか知らなかったのですが、コンサル時代のあとに個人事務所を立ち上げられていて、その頃に執筆活動をされていたようです。
AKIさんのHPで紹介されていたのが気になり読みました。久しぶりに気持ちを揺さぶられる投資本でした。
この本のテーマは「インデックスに勝つための投資哲学」です。
投資哲学というと真っ先に思いつくのがウォーレンバフェットです。バリューとグロースの視点を踏まえ、価格決定権をもつ強い企業に着目するという、つまり「良い企業を割安で買え」という投資哲学です。もちろん私もこの哲学に共感し投資を行なっています。この本ではそれに加え、「サイクル」という視点での深い考察がありました。
為替はあまり得意ではありませんでしたがこの本のおかげでかなり理解が進みました。オススメです。
詳しい内容はぜひ本を読んで欲しいのですが、ポイントを絞ると以下のような内容です。
表にすると以下のような関係になります。
短期 | 中期 | 長期 | |
~1年 | 3~10年 | 10~20年 | |
株 | フロー | 価値 | 価値 |
為替 | フロー | フロー | 価値 |
私がこの本を読んであらためて思ったのは「株」と「お金」は違うということことです。
お金は基本的に「使う」ために手に入れるものです。例えば日本企業であれば外国でのビジネスで手に入れた外貨を社員の給料や仕入先に支払うために「日本円」にしようとします。この時、為替レートが少しぐらい不利だろうとあまり気にはしません。なぜなら企業は必要に迫られて、つまり「使うため」に「日本円」を買っているからです。
一方、株を「使う」ために手に入れる人はいません。株を買う人はみんな「保存」しています。株式市場は「ある価値を持った品物」について、いくらが妥当なのか毎日市場で品評会を行なっているだけで、値段も気にせずに必要に迫られて株を買う人はいません。
つまり、株式市場は高ければ買わず、安ければ買うという単純な原理で動いているので中期的に「価値」に収斂しますが、為替市場の場合は、メジャープレーヤーが「値段に関係なく買う」という行動原理を持っていて継続的なフローを生み出し続けるため、中期的にもフローなのです。
株式の常識で為替を考えていた私にとって、とても刺激になりました。
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