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2015-04-07

企業分析:6165パンチ工業(3.0)

えりーさん

お待たせしました。6165パンチ工業です。
■結論
中国・アジア市場が好調、かつ、株価は割安で短中期的には面白みがあるものの、ビジネスモデル面は脆弱で、特にB/Sの悪さが目立ちます。中長期視点では不安が前に立つ企業です。3.0です。

■基礎情報
GMOクリック証券の分析を使います。

Plv_6165_5

Bs_6165_5

Cf_6165_10

IR情報など(2012年に上場)
・予想PER 12.7

■ポイント
Step1:業績の確認
・営業利益率は3〜5%程度、2014は好調。
・B/Sはキャッシュが少なく危険水域
 →と思ったら、増資を発表した模様
・営業CFも特に増えておらず、継続的に投資している(キャッシュを使っている)
→特筆すべきビジネスモデルもない、普通の企業では?と考えながら次のステップへ

Step2:事業内容、強みはどこか
・金型につかうピンを主力にする企業。日本市場はヨコバイ、中国で成長を稼ぐ。
・特筆すべきビジネスモデルは見つからず。中国のシェアは1位で多少安心感がある。

Photo

Step3:株価の確認
予想PER 12.7だが増資による希薄化で、15.6程度に

■えりーさんに質問
①この企業の営業利益率は実力としては何%ぐらいだと思いますか(中長期的にはどれぐらいに収斂していそうか、という意味です)
②この会社はなぜ増資を何度もするのでしょうか
③この企業が赤字となる可能性はありそうだと思いますか

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コメント

議論用にえりーさんのコメントを転記します。

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年度末でお忙しいところ恐縮ですが、6165パンチ工業の銘柄分析をお願いします。
最近公募増資を発表し株価が調整しているので購入を検討しています。
ただ、2012年12月の上場からすでに株価はかなり上昇しています。
現在の株価を割安といえるのか?
ぜひご意見お聞かせください。
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お忙しいなか分析していただきありがとうございます。

私は当社の意欲的な中期経営計画に注目しました。
2015年3月期の業績を既に上方修正しており、中計も達成可能と予想しています。
売上高より営業利益・経常利益の増加率が大きく、増資で調達した資金で
効果的に利益率を改善できているので、増資を繰り返しているのではと思いました。
また、営業利益率がどこまで向上するかはわかりませんが、
中計の最終年度の数字を見ると10%は難しい気がしました。

もう一つの注目点は新市場の開拓です。
現在日本と中国での売り上げが9割以上を占めますが、
今後新市場の開拓を推進していくとあり、
次の中期経営計画では、新市場の開拓に重点を置いた
意欲的な計画が出されるのではないかと予想しています。

事業のリスクですが、日本と中国の割合が大きいので、
どちらかの国で景気が後退すると赤字になることもありえると思います。

個人的には現在の株価は中計の達成はある程度織り込み済みで、
再来年の業績予想や次期中計が発表されると、再度株価が居所を変える
可能性があるのではと予想しています。

えりーさん、ありがとうございます。

>個人的には現在の株価は中計の達成はある程度織り込み済みで、
>再来年の業績予想や次期中計が発表されると、再度株価が居所を
>変える可能性があるのではと予想しています。

なるほど。その考え方はよくわかりますし、その投資スタイルもありだと思います。

であれば、私からはビジネスモデル面からの視点をお伝えするのが良いのかなと思いました。
最初に書かせていただいたとおり、ビジネスモデルでは特筆すべき点はなく、中国No1が唯一の利益率プラス要因です。営業利益率を感覚的には言うなら、中国5%、日本3%、アジア0〜3%ぐらいの印象です。もちろん想定以上に売上が増えれば効率が上がり+2%程度は期待できるでしょう。ですので7%あたりが上限ではないでしょうか。
一方、B/Sのキャッシュの少なさから分かるように、設備等など投資が重いのが気になります。業績データは4年分しかありませんが、リーマンショックでは大きな赤字だったのではないでしょうか。

要するに今は好調の波で、えりーさんのシナリオの実現可能性も十分ありますが、中長期視点で見ればもう少しおとなしいところが実力だろうということです。

また、増資についてはキャッシュ不足に尽きると思います。成長につながるといった前向きなレベルではなくB/S健全化程度のものだと思います。

議論の横からですみませんがすぽさんに2点質問があります。
今回のすぽさんの営業利益率の出どころはどこでしょうか?直感と言っても同業他社との比較や業種関係なく今まで見てきた全ての企業からの予測値などあるかと思いますがどうでしょうか?
また、すぽさんは営業利益率を重視されていますが、業種ごとなどでこれくらいの数字があると投資対象になるといった基準などはお持ちですか?

あぺんさん、質問ありがとうございます。

唐突に数字を出してしまったので、疑問を持たれるのはよくわかります。
根拠というより、考え方になるかもしれませんが、以下の様なことを考えてこの数字を出しました。

・業態は普通のメーカーで、銀行や商社といった特殊な利益率になるビジネスではない
・一番気になるのはB/S。2011時点で40億円しか株主資本がなく100億〜200億の売上を15年以上出してきた企業とは思えない。
 http://punch.co.jp/ir/pdf/med_management/20131111_value_creation.pdf
 営業利益率は平均2〜3%でないとソロバンが合わない。また、借金が非常に多く5〜10%出せる企業ならこうはならない。
・一方で、中国市場は計画より伸びている。これは工場稼働率が高まるため利益率が押し上げる。その結果としての現在の利益率だと見るのが自然。
→概ね「営業利益率と競争」のグラフ通りと見て良さそう。
 http://sprn.cocolog-nifty.com/blog/2015/03/post-8901.html

ちなみに競合はミスミなどになると思いますが、利益率が違いすぎて参考になりません。

投資対象となる営業利益率は10%以上が原則ですね。
シュッピンは原価が大きいビジネスで、利益率向上が見込まれる企業だったので例外的に対象となりました。

ビジネスモデルからみたご意見ありがとうございます。
普通の企業と言われ納得しました。

業績はまだのびしろがあると思うので、
深入りはせず1年程度の短期保有と割り切ることにします。

えりーさん
それでは以上の内容で確定します。よろしくお願いします。

すぽさんこんにちは。
僕のブログに書き込みしてくれたのですが、すいません、僕は暫く前からブログの書き込みに返事をしない方針にしているのです。
返事をしたい気持ちはありますが、平行線を辿るだけで、その平行線の議論を楽しく行えるかどうか分からないので保留にさせて下さい。

さて、パンチ工業。これは結構楽しい企業で、分析してみると面白いかもです。
結論は3.0で変わらないでしょうが、入りだけで終わってしまうのも勿体無いかな、と思います。

景気循環株ですが、増資をしながら、自己資本比率を上げながら、ROEを上昇させています。
財務は脆弱ではなく、筋肉質になってきています。
中国経済に影響しますが、資金繰りのリスクは売掛金をみてみないとなんともいえません。

なにより、名前が良いですね。
子会社もインドパンチやベトナムパンチなんて、なかなかに良いネーミングセンスです。

中国相手に金型で暴利を貪っている会社です。
このノウハウ、只者じゃありません。
景気循環株というくくりでは異質です。
急速に増加して、最近になって海外売り上げが国内を逆転しました。
まだまだ海外進出する気満々みたいです。
やる気のある会社は応援したくなりますね。ロゴまでやる気満々です。

MEANINGさん、ご丁寧にコメント頂きありがとうございます。
>返事をしたい気持ちはありますが、平行線を辿るだけで、その平行線の議論を楽しく行えるかどうか分からないので保留にさせて下さい。

了解しました。MEANINGさんのブログは共感する内容も多く、似た視点で考えていらっしゃるのではないかと思っています。
この件については、ムリにすり合わせることはせず、お互いの考え方を尊重しながら、投資の正体を考えていければと思います。

また、パンチ工業についてもありがとうございます。
中国市場はシェア1位以外のポイントが見つかりませんでしたが、何か面白い注目点がありましたか?

パンチ工業に執着するつもりはなく、もっといい銘柄なんて山のようにあるので、それほど魅力的な紹介は出来ませんが、折角なので少しだけ。

売り物の商品が金型。金型は技術力が見え難いですが、中国でシェアを伸ばしているというのは簡単に他社がまねできないノウハウがあるとも言えます。
中国だけではなく、東南アジアを中心に全世界に打って出ようとしています。中国はその足がかりのような位置づけなのでしょう。

当然ですが、金型産業は成長産業です。ローテクを中心に幅広い産業に必要とされています。ここでいうローテクとは、地盤産業という意味合いで受け取ってください。

自己資本比率を増加させながらROEを上昇させる企業は、日本では極めて珍しいです。今のところ、パンチ工業はその傾向にあります。円安も追い風になるでしょう。

中期計画は無視して下さい。何のサプライズもありません。
敢えて言うなら、次の中期計画がどのような風呂敷を広げるかが注目点になるかと思います。
仮に今の水準で円安が続くなら、ROE水準の伸び悩みがあったとしても、魅力的な成長となるでしょう。今までは増資の多くを設備投資に回しました。今後も設備投資意欲はあるようです。少なくても意味もなく内部保留を増やす事はしないでしょう。決算報告書から、攻めの姿勢が見て取れます。

これからのパンチ工業の業績を推し量る場合は、中国市場は重きを置いていないです。中国市場を足がかりにして、その他アジアの売上を伸ばそうと言う意欲を持っているように感じます。足元の業績はそのようになってきています。

極めて重要なのは、金型で中国相手に業績を伸ばしているという点です。
リーマンショック時に日本がそれまで想定されていた以上の大ダメージを食らっている中において、中国は影響が余りありませんでした。
そのため、リーマンショック時の売上割合を見ると、中国が急増しています。
パンチ工業はリーマンショック時においてさえ、中国の投資を増加させていたのだと思います。業績が悪化するさなかにおいて、攻めの姿勢を貫いた事が今の業績に繋がっているのでしょう。
景気の影響が大きい企業で、景気悪化時に責めの経営を取ったという点は素直に評価したいです。

パンチ工業はまだ面白い面があると思います。
まぁ、色々調べても評価は3.0で変わらないだろうとは思います。
繰り返しますが、もっと良い企業はたくさんありますし。

MEANINGさん、ありがとうございます。
攻めている企業で面白いというのは、そのとおりですね。

> 自己資本比率を増加させながらROEを上昇させる企業は、日本では極めて珍しいです。
なるほど、ROE上昇に対する考察の差がありそうですね。私の場合は「工場稼働率の高まりなどによるやや一時的な利益向上」ではないかと考えており、ROE向上は割り引いて見ています。

東南アジアへの展開については、利益面ではあまり期待はしていません。売上が増える割に利益が出ないパターンもあり得ると思っています。私は利益率はシェアによると思っており、市場拡大期は苦しいだろうと思っています。

すぽさんこんばんわ。

利益率からすると、日本と中国の2カ国。
売り上げ増加は東南アジア。
そして設備投資は東南アジア中心に。

そんな感じみたいですね。
足元の業績を観ていると、来期以降は全社的には利益率はむしろ上がるのではないかと思います。


「工場稼働率の高まりなどによるやや一時的な利益向上」については、工場稼働率の高まりが一時的なものでなければ、設備投資による収益増加が見込まれるのではないかと思います。ただこれについては別段知見があるわけではないので止めておきます。

僕は東南アジアへの金型販売は長期的に増加し、そう遠くない未来に利益面でも会社に貢献するようになると思います。
東南アジアにとっては分かり易い成長産業だと思います。
東南アジアの利益率は、直近で赤字になったとしても、長期的には上昇するのではないかと考えています。


将来の業績予想を皮算用してお話しても面白そうですね。
まぁ、大抵はお粗末な八卦予想になりますが。

遅れてしまいましたが質問への回答ありがとうございます。まだ勉強不足でせっかく回答して頂いたのにピンときていないですが少しずつ勉強させていただきます。ありがとうございました。

しばらく忙しくてお返事できませんでした。すいません。

MEANINGさん

>僕は東南アジアへの金型販売は長期的に増加し、そう遠くない未来に利益面でも会社に貢献するようになると思います。
私は利益貢献は時間がかかる/苦労するという意見ですが、この辺の見方がこの株のポイントになりそうですねー。

あぺんさん
利益率の件は、B/Sの図を見て右脳的(直感的)に判断したのですが、少し数値で説明します。
自己資本が増える理由は大きく2つです

①年度純利益から配当を払った残りが繰り越された
②増資を行った

2012年に上場した企業ですから②はなかったと仮定すると、純資産増加は①でしか起こりません。
2011年の純資産が40億円ですので、例えば過去20年(1991〜2010)で考え、仮に1990年時点で10億円の純資産だったとすると、20年で30億円しか増加しておらず、平均1.5億円しか増えなかったということになります。
この20年の売上平均は URLの資料から約150億円と分かりますので、売上の1%しか純資産の部に積み上がっていないということです。
で、更に逆算で、税金と配当分を考えると営業利益率は2%程度と推測できます。

こういった仮説を元に「営業利益率2%の企業」だと思いながら、再度眺めると色々気づきます。

・大きな借金は合点がいく(利益が出ないので当たり前)
・ここ数年の利益率は実力以上なのではないかという疑念

その上で、シェアのグラフを眺め「中国セグメントが利益率が高めだろう」といった考え方を重ねて、利益率のイメージを出しています。

ダラダラ書きましたが、要するに「儲かっていない企業のB/S」なので、「利益率が高かったわけがない」ということです。参考になれば。

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