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2015-02-24

銘柄分析:7846パイロットコーポレーション(3.5)

のんびりマンさん

議論ありがとうございました。以下の内容で確定します。
■結論
日本での替芯を中心とした売上のシフトが起こり利益率が向上。成長面では順調な成長が期待できるが、900億円という大人の体格であることもあり急成長までは望みづらい。海外で日本と同じシナリオが生まれれば、さらなる利益向上だが未知数。評価は3.5。

■基礎情報

Plh_7846_10

 

Bs_7846_5

決算資料など
・予想PER 18.0
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                           
売上   2012 2013 2014 2015
ALL 712.35 825.64 902.68 910.00
日本 337.96 365.51 385.03  
米州 156.64 197.39 223.06  
欧州 152.62 178.81 203.01  
アジア 45.55 61.13 68.88  
その他 19.57 22.78 22.67  
営業利益   2012 2013 2014 2015
ALL 63.20 96.49 142.71 150.00
日本 46.46 78.08 109.35  
米州 9.67 8.40 7.02  
欧州 8.21 12.37 27.12  
アジア 1.17 2.33 3.50  
その他 0.37 1.37 0.88  
営業利益率   2012 2013 2014
ALL 8.9% 11.7% 15.8%
日本 13.7% 21.4% 28.4%
米州 6.2% 4.3% 3.1%
欧州 5.4% 6.9% 13.4%
アジア 2.6% 3.8% 5.1%
その他 1.9% 6.0% 3.9%
利益割合 日本 70.5% 76.1% 74.0%
米州 14.7% 8.2% 4.7%
欧州 12.5% 12.1% 18.3%
アジア 1.8% 2.3% 2.4%
その他 0.6% 1.3% 0.6%
         
売上成長率     ⇒2013 ⇒2014
日本   8.2% 5.3%
米州   26.0% 13.0%
欧州   17.2% 13.5%
アジア   34.2% 12.7%
その他   16.4% -0.5%
利益成長率     ⇒2013 ⇒2014
日本   68.1% 40.0%
米州   -13.1% -16.4%
欧州   50.7% 119.2%
アジア   99.1% 50.2%
その他   270.3% -35.8%

■ポイント
Step1:業績の確認
・売上は約900億で大きい。基本的には大人の体格。
・2013より売上・利益率が急拡大
 →フリクションは数年前からヒットしているはずだが、どう考えるか
・B/Sは並。2013からの好業績でキャッシュに余裕ができてきた

Step2:事業内容・ビジネスモデルの確認
・文房具の老舗メーカー。なんといってもフリクションのヒットが大きい。消えるペンは他社からもたくさん出たが、研究の積み重ねで商品力に大きな差が生まれ、このセグメントではほぼ独占状態。
・日本で営業利益率が急騰(28.4%)。この現象は売上構成が「替芯中心にシフト」しているという以外説明しようがない。
・成長面は大人の体格なので多少のヒットでは急成長できない。一番の期待は欧米でのフリクションのヒット→替芯シフトによる利益向上だが、売上・利益構成を考えると期待しすぎるわけには行かない。
・アフタービジネス型のビジネスモデルは今のところ機能し高収益に。ただし「カミソリの替刃」と同様にスイッチングコストが低いため、楽観は禁物。

Step3:株価の確認
予想PER18.0で、普通の水準。

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コメント

のんびりマンさんのコメントを転記します。
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もともと海外売上比率の高い同社ですので、足元円安での利益底上げは当然としても、「フリクション」関連製品の浸透が業績好調の根底にあると考えています。
主力の「フリクション」については、貴ブログでもご指摘の、①アフタービジネス型、かつ④トップシェア型の両方が当てはまるのではないでしょうか。
①アフタービジネス型の要因ですが、、何といっても替え芯の存在。使い勝手が非常に良いので、依存性は高く、さらにインクがすぐなくなります。
④トップシェア型の要因ですが、雑貨店の文房具売場を見れば、または仕事場の同僚の手先を見れば一目瞭然です。この業界で完全に独占的地位を勝ち得たと感じられます。
上記のおかげで、単品の利益率は非常に高いようです。同社の売上高総利益率が約5割とのことなので、「フリクション」はさらに上を行くかなりの高利益率(おそらく7割ぐらい)だと思われます。

さらに、「フリクション」関連商品において、ターゲットの幅が目下広がってきております。もともとボールペンタイプのフリクションはビジネスマンがターゲットでしょうが、ここにきて、女性をターゲットとした「フリクションスタンプ」が発売されました。出足好調のようでツイッターなどでは「休」マークの売り切れや再入荷など、連日呟かれております。
以上、依存性が高く独占的で高利益率なフリクション関連商品の販売数量の増加と種類の拡大が、今後数年にわたり、同社の利益拡大に貢献するものと考えております。

株価は右肩上がり、今のところ不安要素は円高以外に思いつきません。

長くなりましたが、すぽさんの見解をお教えいただければ幸いです。

すぽさん

コメントありがとうございます。あまり考えすぎてもよくないと思うので、ある程度直感で回答します。

①ビジネスモデルへの過度の期待は危険ということですが、確かに「過度の期待」はしないほうがいいかもしれません。しかし、「適度」であればよいのではないでしょうか。私は、ここ数年はこのビジネスモデルが安泰であると考えます。それは②の回答にもつながります。

②フリクションの販売本数の増加と相関関係があると思われます。フリクションについては、すぽさんのおっしゃる、「数年前からヒットしているはず」という点について、いろいろと調べてみると、2006年あたりから最初はフランスで投入し、少しずつ拡大してきたようです。いわゆる導入期でしょうか。それが、2013年ごろに本格的な成長期に入ったのではないでしょうか。あと、急激な円安も影響していると思います。

③ポイントはフリクション市場が、どこまで成長してどこで成長が鈍化するか、という見極めだと思います。これは私もわかりません。もし何かアドバイスいただけるようでしたらご教示下さい。

よろしくお願いいたします。

こんにちは。議論に興味があったので、横からですが・・・(PER18はちょっとお高いですが)。

・フリクションが事業に与える影響度合い
http://www.spnt.jp/sns/articles/DGXNMSGD2700R_00310M1Y000000/
 会社全体の売上高740億円に占めるフリクションの比率は非公開だが「1割台のレベルではない」(浅羽弘取締役)。小売りの販売価格帯は100~3000円程度で、卸値を仮に1本100円ではじくと260億~270億円と3~4割に達することになる。

→ 具体的数値は非公開のようですが、上の記事を見ると、フリクションの規模はかなり大きいみたいです。

あと、原油安も恩恵になるでしょうね。

2008年→2009年の落ち込み、2013年、2014年の伸びを見ると、為替との相関が強く、為替にかなり強い影響を受ける銘柄の印象を受けます。

文房具が好きなと、欧州各地を巡る縁があるため、欧州で文房具屋を色々見て回ったのですが、フリクションは確かにおいてありますが、日本のような人気は感じてませんので、海外では伸びる余地は沢山あるように見えます。
ただ、その一方で、欧州で書いたものを消すという文化がなく、シャープペンシルですら日本より数が少ないので、そもそも消すニーズがどこまであるのかという疑問はあります(大人の世代では、シャープペンを使っているのすら珍しいので、消すニーズは日本ほどないような気もしてます)。

同社は、「消えるボールペン」の利点は欧州で訴えやすいというものの、そのターゲットは子供などの限定的な層かなあという気も。
まあ、ただの1個人の感想なので、これで投資判断はしませんが・・・。

のんびりマンさん、タカさん

コメントありがとうございます!嬉しいです。
今ちょっと忙しくて書き込めそうにありません。
議論用の参考データを追加しました。夜ぐらいにまた書きます。

のんびりマンさん、タカさん

ありがとうございます。タカさんの情報もとてもありがたいです。
2013、2014の業績からビジネスモデルの中身を推定していきたいと思います。
決算説明会資料が無く読み解くのが難しいのですが、セグメント情報が割と細かく出ていましたので分解しました。すると結構面白い情報がわかりました。

①国内:売上成長力は弱いが(5%程度)、営業利益率が著しく向上している(13.7%→28.4%)
②欧州:売上成長も強い(15%程度)。営業利益率も向上中(5.4%→13.4%)
③営業利益の7割以上が国内

①が示しているのは、売上構成が「替芯」や「高額商品」など粗利が大きい商品にシフトしている(成長しているのではない)ということです。つまり、「市場拡大は成熟期。一方で、アフタービジネス型・トップシェアなどビジネスモデルが有効に機能している」と推測できます。ユーザー視点で言うと「3色ペンなどを使うようになって、ペンはもう買わないが替芯は大量購入するようになった。」という感じではないでしょうか。
そう捉えると今後の日本市場における急成長は期待できません。利益率向上も既に高水準ですので少し慎重にみたいところです。

一方、欧州(+米州など)については、為替を割り引いても成長していると言って良さそうです。利益率も向上しており「日本の3年遅れ」ぐらいに見えます。タカさんの海外の情報を聞いても、成長とリフィルへのシフトシナリオは起こりえます。ただ、ここもブームになるかは未知数です。

ご意見ください。

回答が遅くなり申し訳ありません。

まずは、すぽさん、細かく分析していただきありがとうございます。
また、タカさんにおかれましても、貴重なご指摘ありがとうございます。

私個人としても、概ね同意見です。

売上の伸びがこのまま鈍化するのか、それとも、さらに伸びるのかというところがポイントだと認識するようになりました。

フリクションの売上推移は以下の想定です。(単位:百万本)
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/HONSHI/20131220/324020/?P=3&rt=nocnt

 年   本数 成長率
2006年 20   
2007年 30   +50%
2008年 70   +133%
2009年 75   +7%
2010年 100  +33%
2011年 150  +50%
2012年 220  +47%
2013年 264  +20%
2014年 316  +20%・・・???  

2014年も+20%程度の成長率はあったと想定しております。売上に占める割合がタカさんのコメントにもあるように、おそらく3~4割前後と思われますので、掛け算すると、フリクションの売上成長のみで、全体の売上は6~8%程度伸びるものと思われます。仮に、国内の利益率が維持されるのであれば、少なくとも来期の会社予想は控えめと思われます。

数年後の成長については、私も海外次第だと思いますが、ポイントはアメリカだと思います。売上規模は欧州並みにも関わらず、利益が全く出ていません。この状況が何かしらの要因で改善すれば、成長の持続に寄与するものと思われます。

いずれにしても、希望的観測になってしまいますが、回答および、補足とさせていただきます。

株価の水準ですが私は適正水準だと考えております。保有もしておりません。ここから急落するようでしたら拾うつもりです。

ご意見よろしくお願いします。

のんびりマンさん
コメントありがとうございます。新しいデータありがとうございます。
フリクションの成長は私が想像していたものより良さそうだと認識を改めました。
おっしゃるとおり、米国・欧州の利益率向上がキーだと思います。

3.0に近い3.5にしようか最後まで悩んでいたのですが、頂いたデータを踏まえて、3.5がふさわしいと考えなおしました。(表記上の変更はありません)

見解はおおむね揃ったように思います。特に意見がなければここで確定しましょう。

すぽさん

ご意見ありがとうございます。
特にこれ以上付加することはありませんので、結論としていただいて結構です。

こうして議論させていただき、視野が広がりました。
色々とご教示いただき、ありがとうございました。

また、よろしくお願いいたします。

すぽさん、お礼が遅れましたが、議論に参加させていただきましてありがとうございました。
国別から見る手法非常に参考になりました。
分析する場合には、1つ1つ詰めていくことが肝心ですね。面倒がって、たまにそこを適当にしてしまうので、大変参考になりました。

タカさん、議論に参加いただきありがとうございました。

何でもかんでも詳細まで見ているわけにはいきませんし、その必要もないと思いますが、この企業に関しては「なんで急成長しているの??」がわからなかったため、深くまで掘っていきました。

これからもよろしくお願いします。

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