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2014-07-24

2815アリアケジャパン(4.0)

おいしさを影から支配する、優良企業

カンブリア宮殿で、とてもユニークな企業を紹介されていたので分析します。
アリアケジャパンは「天然素材(魚・肉など)だし」事業を中心とする企業であり、強烈な強みを持つ企業です。いつもどおり分析していきます。

Step1.業績の確認
GMOクリック証券の分析を使います。Valuation Matirixが使いづらいのでこちらを使っています。

Bs_2815_51

Plv_2815_51

Cf_2815_101

  • 営業利益率は15%~20%と高収益。ほぼ無借金経営。
  • 売上・営業利益の成長は15%程度で、順調
  • B/S、CFから、設備投資が多い企業であることがわかる

Step2.ビジネスモデルについて

ビジネスモデルは「技術独占型」と呼ぶのが良さそうです。料理にとって「だし」が命なのは言うまでもありません。アリアケジャパンは「どんなタイプのだしでも低価格で大量生産できる」という魔法のような強みを有しています。

TVでは有名ラーメン屋さんのスープベースを提供する例がありました。スープベースづくりは丸一日かかるような手間暇かかる作業ですが、この店が海外に進出するにあたり、現地社員ではその手間暇に耐えられないということで、スープベースをアリアケジャパンが提供することになりました。ラーメン屋の社長はアリアケジャパンがつくったスープの味見をして「ウチのスープより美味しいかも」と大絶賛でした。
私はこの映像を見て大きな衝撃を受けました。アリアケジャパンは有名ラーメン屋レベルのおいしさをコピーし、どのお店・企業よりも安く大量生産できるのです。
当然、日本中の食品メーカーからの依頼は引く手あまたです。数年前にはアリアケのだしを使うと売上が伸びるということで、カレールー戦争(熟カレー、こくまろ)の主役となったこともあるようです。この企業は日本の食品のおいしさを支えており、言い方を替えると「支配している」といえるほどの強みを有しています。

市場拡大余地もまだまだ広大です。海外からも引き合いが始まりましたし、初めての最終製品の提供も始まりました。その製品とは、なんとセブンイレブンの金のプレミアムシリーズ「金のビーフシチュー」です。セブンイレブンの商品開発・厳選レベルが日本トップクラスであることに異論はないと思いますが、そこで「初めての製品」で選ばれるのです。最終製品メーカーに変貌することも、本来難しくありません。(もちろん会社の体を変えるという内部的な大きなハードルがありますが)

一点、成長面でいうと、企業の大きさは売上300億円を超えて、やや大人の体格になってきました。ここから先は3割成長とまではいかなそうです。

Step3.株価の確認

(2014年7月23日現在)2,660円、来期PER16.7、PBR1.47

2,700円で、9%程度購入

成長角度はSランクとは言えず少し物足りないですが、独創的な強みに心を惹かれてしまいます。評価は3.5に近い4.0となりますが、長期視点(5年以上)での投資として、PFに入れたいと思います。

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コメント

いつも楽しく拝見させていただいています。
アリアケジャパン僕も以前からチェックしていたのですが、尻込みしていました。オンリーワン企業で高い営業利益率を上げていますね。
扶桑化学も同様にニッチで優位を築いているようにみえ優秀な企業と思います。すぽさんいかがでしょうか?

アリアケジャパンは高収益、好財務ですね。注目させていただきます。

営業利益率の高さはどの程度重視されますか?
業種により営業利益率の平均は変わると思いますがビジネスモデルの優位性が高ければ投資対象とされますか?

テンポスバスターズという厨房機器のリサイクルをしている株を保有しているのですが、営業利益率はあまり高くはありません。
成長性はあると思うのですがご意見いただけないでしょうか?

>Nickさん、コメントありがとうございます。

アリアケジャパンはもう少し安いところで買いたいですが長期投資ということで目をつぶることにしました。安くなったらナンピンするつもりで保有します。
4368扶桑化学工業ですが、分析を試みたのですがデータが集まらず分析を断念しました。誰が、いくらで、何のために、どれぐらい買っているか。全て分かりません。
シェアが1位で競争優位があることだけは分かりますが、これだけ情報が無いとさすがに手も足も出ません。

>けんさん
テンポスバスターズ分析の件、少しお待ちくださいね。

すぽさん、こんにちは。

「アリアケジャパン」は僕も以前分析して買う寸前で買いを見送りしました。
ビジネスモデル+独占シェアを有しており、日本+世界6カ国で無人・自動化
された工場で生産しグローバルに販売できる体制には期待が持てます。
ただ、僕が見送った理由は
前期資産額598億円に対して売上376億円
ROICが5.6%と営業利益率15%弱なのに対して低すぎる。
保有している資産を上手く活用できていない。
他、資金調達コストが高すぎる、(設備投資等もほぼ株主資本で賄っている)
ので目に見えない調達コストを無視しており、
負債をもっと活用するなり、できるのでは?と思っています。

この点が気がかりで投資を見送りました。
逆に気がかりな点が僕の思い違いであれば思い切って投資できるのですが・・。
すぽさんの考えを聞かせて頂けないでょうしょか?

うさぎ投資家さん

私はROIC、ROEといった投資効率系の指標はあまり考慮しません。
株式会社の成長は以下の優先順位があると思っています。

①成長できるための市場があるか
②市場の中で競争優位があるか
③投資効率を高めた経営ができるか

投資効率(③)は、①、②があってこその話です。③から考えようとするのは投資家のエゴであり、経営(現実)は①、②をクリアするのが精一杯です。③は目標に置くというより、結果的に決まるものと考えたほうが良いと思っています。
また、株価はPBRで比較されるよりも、PER(時価総額÷純利益)中心に決まることが多いように思います。これを言い換えるとROEはあまり関係ないということです。
ROEが"向上する”ことは既存株主に好影響ですが、買う際に、ROEの高低を考慮する必要はあまり無いように思います。

議論が巻き起こりそうなコメントになりましたが、そんな風に考えています。

FBGは、倍になる可能性も高いが、ハイリスク銘柄。アリアケは、無難な銘柄。率直な感想。しかしバリュー投資家の私からみたら割高な銘柄が多い気がします。

リンさん、コメントありがとうございます。ご自身に強い投資信念を持たれていることを感じます。

仰るとおり、私の投資スタンスはバリュー型とはいえません。
考え方の違いは、視点を広げるきっかけになるものと楽しんでいたければと思います。

さすが、すぽさん、大人の対応ですね!
私も見習わねば。

すぽさんさん。
変な質問してすいませんでした。
確かに投資効率というものはあくまで企業の成長過程での
での副産物程度ととらえたほうがいいのかも!?と感じました。
資本効率を気にしすぎて、優秀銘柄を見過ごしては本末転倒ですし。

すぽさんの仰る通りROE等の指標の気にするのは投資家のエゴとも
思えます。ROEを信仰しすぎるのも良くはないのかな?

僕はどうしてもROE等の効率性指標も高い方がいいという概念があるので
その辺訂正してかなくては!!と思いました。(中々難しそうです。)

若輩者の質問に訂正かつ的確に答えて頂き有難うございました。

うさぎ投資家さん

表現が強かったようで申し訳ありません。
ROIC、ROEについては「考えても無駄では?」というトーンで捉えているだけで、否定するつもりはありません。特に「市場から購入する株主」にとってはあまり意味が無いと思っています。
例えば以下の2つの銘柄があったとします。

■売上100億円、純利益10億円の会社の場合

①PER20、ROE20%
 →純資産の部 50億円
  時価総額 200億円、PBR4
  株数が1億株だとすると、EPS10円
②PER20、ROE10%
 →純資産の部 100億円
  時価総額 200億円、PBR2
  株数が1億株だとすると、EPS10円

つまり、市場がPER中心に比較しているなら、PBR2かPBR4になるかの差になるだけだということです。逆に、市場がPBRを中心に比較しているなら、ROEは株主にとって大切な指標となります。

一般投資家にとっては「B/S上の純資産の部」ではなく「時価で買った株価」が大切なので、ROEはあまり考える必要はないと思っているということです。

けんさん、お待たせしました。2751テンポスバスターズ分析できました。
良い企業ですが、コングロマリット化して、強みと成長ドライバーにズレがあることが気になります。3.5です。

テンポスバスターズは①中古厨房機器販売、②店舗コンサル業、③飲食事業の3つの事業を持つ企業です。売上は91億、34億、37億です。
①はプラットフォーム型の勝ち組で、安定した業績が期待できます。成長は限定的です。
②は①の強みからスタートしているようですが、大きな利益は期待できません。社員のスキル向上と、営業活動の一環程度に捉えたほうが良さそうです。
③は「あさくま」など、企業買収をベースした成長ドライバーです。

全体としては、①で生み出した財務力をベースに、③での成長を目指してるということです。しかし①と③で必要となる強みは全く違います。③で成長できるかは未知数です。(今のところうまく行っているように見えますが)
株価は来期PER12.3、安心して買えるレベルです。

個人的な好みで言えば、①は好きですが、③はあまり好きではありません。③をどう見るかで判断が分かれそうな企業です。

すぽさん
テンポスバスターズの分析ありがとうございます。
私は①では限界にきているので②で伸ばして行こうとしているのかと思ってました。
②はあまり成長見込みはないようですね。
③はあさくまによく行きますが適度な混み具合でいこごちがよく好きです。
成長性とはあまり関係がないですかね。
ありがとうございます。
図々しいですが、気になって買っていきたい、東祥<8920.T>はどうでしょうか?
全国にスポーツクラブやホテルを展開しており成長していくだろうと考えております。

けんさん、8920東祥分析できました。良い企業だと思いますが、もう少し割安さが欲しいところです。3.0です。

東祥は郊外型のスポーツクラブ「ホリデイスポーツクラブ」を中心とする企業です。スポーツクラブはストック型なので、退会率さえ下げられれば本来儲かるビジネスです。東祥は、郊外・ローコストオペレーションをポイントに高収益を実現しています。(営業利益20%程度)
参入障壁は高いとは言えませんが、競合の大手企業が都市型・高コスト型を指向しているため直接ぶつかることなく順調に成長しています。株価は来期PER17.8です。
もう少し安ければという感じですね。

すぽさん
東祥の分析ありがとうございます。
少し割高ですかね。
少し調整していますが長期でもちたいと思ってます。
アサンテやシュッピンの1Q決算が続々でましたが、ちょっと停滞ぎみでしょうか。
ビジネスモデルは大丈夫そうなので今後の動向を見守りたいです。

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