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2011年12月

2011-12-28

続・国の借金がこのまま増えるとどうなるか

前回のエントリに関して、2点追記します。

  1. 金利が高騰しない可能性について
    前回のエントリで書いたシナリオは、最初の危機時には金利高騰は不可避だという前提で書きました。しかし可能性だけで言えば金利があまり高騰しないこともあり得ます。
    海外に借り手を求めるのではなく、かなり早い段階で日本銀行から借入を行うことで、何事もなかったように振る舞えるかもしれません。政府紙幣といって、国が勝手にお金を印刷するなんていう方法もあります。(これも目くらましの一手段です)
    金利が上がらずに、貸し手を日本銀行にスイッチ出来れば、ゆでガエルのような今の状況ももうしばらく継続することができます。
    このシナリオは覚悟のない今の日本人に喜ばれる内容ですし、これに近い主張をする経済学者も存在しますが、まぁ現実はそんなに甘くないですし、国の借金が増えれば金利上昇に対する耐性はどんどん弱まっていきますので、どちらにしてもインフレは避けられません。
  2. 危機時に、国内金融機関は国債を持ち続けるか
    また、危機時に、国内金融機関は国債を持ち続けるかという点も議論が分かれるところです。池田信夫さんは「もし小泉進次郎がフリードマンの『資本主義と自由』を読んだら」の中で、危機時に国内金融機関が日本円売りに回るという予測を立てていますが、私は意外と国債を持ち続けるのではないかと思っています。
    国内金融機関は、つまるところ日本円ベースでの資金調達コストより高い運用ができればそれでいいのです。例えば保険屋は、客とは日本円で返す約束(例えば満期に100万円で返す)しかしていないのですから、インフレで円の価値がいくら下がろうとあまり関係ありません。為替リスクや株価下落リスクなど不確定要素が高い資産ではなく、「絶対的な価値は下がるが、客との約束は果たせる」という視点でで国債を手放さない可能性は高いと思います。

という訳でやや蛇足的なエントリですが、自分の未来予想のスタンスを明確にするために追記しました。

2011-12-25

国の借金がこのまま増えるとどうなるか

国債残高が900兆円以上という危険水域に入って来ました。今後訪れるであろう日本国債の危機についてまとめておきます。

国内金融機関が借りてくれない時が最初の危機

まず、現状の確認からです。今の国債の最大の貸し手は国内金融機関です。ゆうちょ、民間銀行、保険会社、年金基金などを中心に国債の約80%を引き受けています。国内金融機関が国に貸しているお金は、国民の金融資産(預貯金・保険に)よるものですから、要するに

 日本国債 < 国民の金融資産

という関係の変化が極めて重要なポイントになります。現在、

 日本国債 900兆円 < 国民の(純)金融資産 1,100兆円

ですからから、単純に言えばあと3~4年ぐらいで、この不等号が逆になり、最大の国債の貸し手である国内金融機関のお金が尽き、最初の危機が訪れます。ここで金融パニックが起きる可能性も十分ありますので、本来であれば是が非でも避けるべき問題なのですが、今の政治・国民の舐めた姿勢を見るかぎり、この危機は不可避でしょう。

次の貸し手は、海外投資家か日本銀行

この危機が訪れたとき、国には一体誰が貸してくれるのでしょうか。普通に考えれば海外市場に委ねることになる訳ですが、海外投資家から借りるのであれば、まぁ金利1%で貸してくれるわけはなく、7~10%ぐらいまで跳ね上がるでしょう。

そして、この金利上昇によって、大きくは2点の問題が生じます。

  1. 国の国債返済利息が100兆円ぐらいになる
  2. 銀行が持っている国債の時価が大きく下がる

2は、時価会計のままだと日本中の金融機関が破綻することを意味します。まぁこれについては国際会計を無視して簿価評価にするなどによってなんとか避けられるかもしれません。しかし1の方は打ち手がありません。
現在の国家予算は税収が40兆円で支出が90兆円ですが、この支出が160兆円ぐらいに膨れ上がります(利子返済は30兆円→100兆円として)。この支出を賄うためには、120兆円の国債を発行しないとならなくなり、まさに自転車操業の最後の姿です。これだけの金額になると海外投資家も貸しようがありません。
結局貸し手は「日本銀行」以外いなくなり、日本銀行による国債引き受け以外の手段は無くなります。

日本銀行の国債引き受け=インフレ

日本銀行の国債引き受けとは、要するに100兆円の借金を日本銀行が貸してくれる(現金を刷る)ということです。
これが始まると、国内では溢れかえるお金と「日本円に対する不信任」が合わさりパニック含みでインフレが進行します。インフレのスピードは、Goodケースで10~20%ペース、Badケースだと100%以上。正直インフレスピードは読みきれません。

インフレは国民に多大なるダメージを与えますが、仮にこのインフレによって例えば物価が5倍まで上がった状況を考えると、

  • 税収は5倍(200兆円)
  • 為替は1/5(1ドル400円)
  • 現預金資産の価値は1/5

となり、日本国家の財政は改善します。また、円安によって経済が活性化する可能性もあります。当然、犠牲者は「日本円・日本国債を持っていた人」です。以前に書いた税金だろうとインフレだろうと同じ事というのはこういう意味です。

危機(インフレ)に備えて

危機(インフレ)に対する備えは、「日本円を信頼しない」と考えれば答えが出ます。外国通貨、株、土地、モノ(コモディティ)あたりが回避場所になるでしょう。
ただ、ドルもユーロも盤石ではありませんし、株も金融パニックと共に下落する可能性大、土地も多額の課税される可能性があり、コモディティはすでに高騰、といったそれぞれの課題がありますから、2~3割のダメージは当たり前だと割りきることが大切になるでしょう。

というわけで、にわかには信じられないような危機は確実に近づいており、避ける方法もほとんどありません。危機になった時、最も大切な能力は機動力であり、実は私なんかよりも、デイトレの皆さんが生き残るのかもしれません。

2011-12-03

大阪都構想について

BSフジのプライムニュース「"橋本維新"圧勝余波 どうなる?大阪都構想」がすごく面白かったです。大阪維新の会が目指している都構想について、「説明してもなかなか伝わらない」と言っていた意味も含めてよく分かりました。
http://www.bsfuji.tv/primenews/movie/index.html
※ビデオはあと数日で見れなくなるかもしれません。

大阪都構想とは、4つの目的を同時に果たすためにまとめたシングルキーワードであり、都にすることが目的ではなく、あくまで4つの目的をそれぞれ達成したいのだと改めて分かりました。

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  1. 経済成長
    大阪の経済成長のために一番必要なのは、規制緩和。大阪は商業の街であり、シンガポールや上海などのようなグローバルな経済都市を目指す。そのためには特区になる事が必要であり、今の最大の課題は国が法律改正を行うこと。
  2. 財政再建
    経済成長を目指す一方で、財政面の最大の課題は多大な借金。財務再建の最大の課題はムダの排除。ムダ削減のための大きなポイントは、二重行政によるムダ削減と、公務員の給与・非効率な運営。
  3. 何も進まない原因の解消
    現在物事が前に進まない卑近かつ最大の理由は「権力が2つあること」と「公務員の抵抗」。
    大阪府としての最適化と大阪市としての最適化が違うため、全く前に進まない。当然最適化は「府」の視点で行われるべきであり、原因の解消のためには2つの権力を同時に手に入れて一元化することが必要。また、まだぬるま湯の大阪市の公務員に喝を入れる必要がある。
  4. 市民サービス向上
    自治体の最大の目的は市民サービス。1,2,3と共に当然改善を図りたい。

本来これらの4つをそれぞれに主張しても良いわけですが、それでは何も伝わらないのでひとつのキーワードにまとめたのが大阪都構想です。大阪都構想により特区を目指し、二重行政をなくし、二重権力を一元化し、公務員改革を行い、市民サービスをより本質的なものに変える。そんなことを目指しているわけです。

この番組を通じて私の印象に残ったのは2点です。
まず1点目が、この構想を創り上げた人の頭の良さです。これらの4つの課題の「へそ」が都構想だと思えることが本当にすごい。一つにまとめたからこそ、大きな突破力につながったのだと思います。

そしてもう1つは、「都構想自体が目的ではない」のだと改めて分かったことです。
世の中の批判記事の中で「都構想によって財政再建を目指しているはずなのに、区を作ると余計お金がかかってしまうはずだ。矛盾である。」と言ったものも有りました。私はこれを書いた人は「都構想」を目的なのだと勘違いしてるのだと思います。
そもそも財政再建で無駄をなくす一方で、市民サービス向上として有効なところにお金を使うことを目指しているのですから、単なる財政の増減で判断できるわけがありません。

ま、何にしても、大阪都構想に関しては訳も分からず批判する前に、この番組や当選後の記者会見を聞いてから話したほうがいいと思います。

W選挙・当選後記者会見 第1部
W選挙・当選後記者会見 第2部

私は大阪維新の会は「本気で変えたい人達」の集まりだと思いました。
ハシズムなどといったレベルの低い誹謗中傷で悦に浸っている人達は、まずはこの人達を超える「志」を持ってから批判をして欲しいものですね。

※投資ブログから外れてしまいましたが。

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