「有事の金」とは思えない
マネーからの逃避としてここしばらく金が高騰しています。投資上級者と投資初心者に人気の金ですが、私はバブル臭がひどいため手を出す気にはなれません。
金は増えない
そもそも私が投資を始めたのは「持っているだけで増える不思議な商品が世の中にある」ということに気づいたことが大きな理由です。土地・お金・株この3つは持っているだけで時間と共に増えてくる性質があり、これらの商品を持っていようというのが投資・資産運用の本質です。
しかし、金を含めたコモディティは減りこそはしないものの1グラムも増えない商品です。金融的に言えばミドルリスクノーリターンです。そんなものに手を出すぐらいなら、ローリスクローリターンの預金でもした方が本来合理的です。
金だけ上がる不思議
またマネーから逃避をしたいならどんな商品でもいいはずです。極端に言えば砂糖でも石でもいいわけです。しかし、現状は何故か金だけが上昇しており、そこに明確な理由はありません。多くの投資家は忘れてしまったかもしれませんが、リーマンショックの時は「金」ではなく「石油」が人気商品だったのです。
「いや、マネー不信がありこれからは金の時代が来るんだ」と鼻息が荒い人は沢山いますが、この人達にはなぜ石油ではないのかという視点はありません。結局、「金の価格は上昇して欲しい」という願望をを信仰するためのシナリオになってしまっています。
また、邱さんもおっしゃっていますが、金は数あるコモディティの中でもワーストに入るぐらい使い道がない商品です。石油・銀・銅などは大きなニーズ・使い道がありそれをベースに値段が付いているのですが、金にはその理由はなく、主に幻想によって価格がついています。
紙幣(マネー)は誰もが価値があると思っているから価値があるわけですが、結局金も大差はなく、紙幣が怖いからと言いながら、変動(リスク)のある100万円札を買っているようなものなのです。
というわけで、本質的なニーズもなく、バブル価格の、増えないリスク資産である金は、投機の対象にしかなりえないと私は思います。
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